制服世代

「引っ張り上げるから。いくよ?」

高峰は細身なのに、ひょいと私のことを引っ張り上げて救出してくれた。

周りからは「おー!」などと言いながら、パチパチと拍手が聞こえる。

「あーあ、雪まみれだな」

そう言って、全身についた雪を払ってくれたが、恥ずかしかったので、

「だ、大丈夫だから!ありがと⋯⋯」

みんなが見ているし、いろんな意味で恥ずかしいので、私は足早に校舎に向かった。

教室につくと、

「あ、英玲奈!年賀状ありがとねー!」

いつも通り、麻美たちが声をかけてくる。

仲間たちと話しながら、さり気なく、高峰のほうを見遣ると、優しく微笑んでいたが、何故か少し淋しげにも見えた。

いつだったか、友達の一人が、

「高峰って、あんまり友達いないみたいよ」

そう言っていたのを思い出す。

いくら大人びて見えても、なんだかんだでまだ子供だし、やはり淋しかったりするのだろうか?