制服世代

年が明け、ついに三学期。

いつも以上にドカ雪が積もって、とにかく歩きにくい。

校門では、この寒い中「あいさつ運動」をしている生徒会の子たちがいる。

あいさつなんて、ごく自然にするものであって、義務感丸出しの大声で「おはようございます!」と叫ばれると、なんだか圧を感じて好きではない。

あいさつ運動の子たちを避けるようにすみっこを歩いていると、

「え⋯⋯!?」

雪が積み上げられていることに気付かず、溝に落ちてしまった。

周りの生徒たちは、必死で笑いを堪えている。

恥ずかしい⋯⋯!

「奥居、怪我してない?」

そんな声に恐る恐る振り向くと、高峰だった。

最悪だ⋯⋯こんなところを見られるなんて、どんなにヘアアレンジを頑張ろうと、お肌の手入れに余念がなかろうと、台無しだ。

「怪我はしてなさそう。それより、恥ずかしい⋯⋯」

「ちょっと、両腕上げられる?」

「腕?」