制服世代

私だって、ヤンキー校には行きたくない。

勉強ができなくてもヤンキー校行きを回避する為、友達と高校の情報を交換していた。

やはり、私立は特進でもない限り、かなり荒れているらしい。

県立普通科でも、下位の高校だと中途半端で進路に困るだろう。

多くの人は、三流でも四流でも、とりあえず大学に進学するのかもしれないけれど。

大学の四年間だけが遊び放題だと、これもまた兄ちゃんの悪友が言っていた。

兄ちゃんにしても、まともに勉強している様子はない。

前から、自然を相手にする仕事に興味があった。

偏差値だけでは測れない高校というと、やはり専門科の学校だろう。

福祉や看護や家政は、私の望むものとは違うかな。

工業や情報も違う。

音楽科に進むほどの実力もない。

となると、農業か水産か、潰しが効きそうな商業か?

「英玲奈、さっきから何やってんだ?」

兄ちゃんに声をかけられる。