制服世代

勉強が終わると、高峰はまた、私を自宅まで送ってくれた。

好きな映画の話で盛り上がり、もっと話していたいと思うほどだった。


「ただいまぁ」

玄関ドアを開けると、母ちゃんはかなり心配そうに、

「どうしたのよ!こんな遅くまで」

「ごめんごめん。友達の家で勉強してた」

そう答えると、怪訝な顔をされた。

「ちょっと⋯⋯やっと真面目に勉強する気になったのに、その顔はないんじゃないの?」

「ああ⋯⋯ごめんね」


頭を使ったせいもあり、いつも以上にたくさん夕飯をたいらげて、さっさとシャワーを済ませ、単語と漢字の暗記をすべく、部屋に戻ろうとした。

「英玲奈、今夜9時からアダムス・ファミリーやるって」

兄ちゃんが言う。

「あー⋯⋯録画しておいて。勉強しなきゃいけないし」

「おいおい⋯⋯。英玲奈が勉強なんて、明日は雨どころか大雪になるんじゃないか?」

「うるさいよ」

全く⋯⋯。