君は、君のままで。

「どうせ変なやつとでも思ってるよね。でも、最後の晩餐とでも思って、どう?」

「何その例え…こっちからすると迷惑でしかないんだけど」

「じゃ、こうとでも言おう。自分も死ぬつもりでやって来たら、たまたま居合わせた君に一目惚れした、とかね。」

思わず耳を疑う。土壇場で一目惚れとか無理がある。

「新手な詐欺とかナンパか何か、、、?」

ふっと笑うと、その人はまた口を開いた

「なんとでも言いな。それにしても酔いが覚めてしまったなあ。」

白い吐息を吐きながら、身震いする素振りをみせた

「一段と寒くなってきたな。しかも俺さ───」

見ず知らずの私に何か話してくれるらしい。
つくづく思うが、やっぱり変な人だ。

「何だか死ぬにせよ苦しみたくはないから、酔うことで感覚を麻痺させようと飲みまくったんだよね。でも案外早く醒めるもんなんだな、、こりゃ失敗した。」

満更でもない表情を浮かべながら、ここから離れようと手を差し伸べてきた

飛ぶか、飛ばないかの二択から、
その人の手をとるか、とらないかの二択になった。

私が死ぬことを阻みたい人間なのか…?
さてはただの好奇心からなのか、、?

あらゆる考えが頭を巡る
そして思わず口から溢れてしまった。

「貴方…変わった人だって言われるでしょ」