…授業中、そんなのも関係ないかのように淡々と喋り続けているやつがいる。
少しくらい、静かにできないのかと足で軽く蹴ってみれば「痛ッ?!」と大袈裟にリアクションしてみせた。
どうやら静かにする気は微塵もないらしい。
先生は興味すらないのか、教科書を捲り、次のページへと進む。他の生徒も同様に。
…みんなはこんなやつがいても授業に集中できるのか。
いや、聞こえてすらないのか。
このクソ野郎の声なんて。
学ランを着ていて、顔がパソコンのモニターのようになっている人のような形をしたモノのことなんて。
モニターにヒビでも入ればよいのだが、教室で急に腕を振り回し始めてもただの異端児だろう。ため息を誰にも聞かれない程度につき、机と顔を合わせる。
その時丁度よく音が鳴る。先生は焦りながらも授業を締めくくる。
今日はこれ以上ここにいる理由もないため、早退でもしてこいつを捨ててこよう。
そうすればきっと、こいつだって静かになる。
