部屋にはアリシアとフレン二人きりになった。部屋の中を静寂が包み込む。
(どうしましょう、何か話したいのに、何を話せばいいのかわからない)
きっと、もう二度と会えない。わかっているのに、どう声を掛ければいいのかわからず、アリシアは戸惑う。
「アリシア」
突然、フレンがアリシアの名前を呼んだ。アリシアがフレンを見ると、フレンはアリシアに優しく微笑んでいた。
(フレン様)
胸がズキンと痛む。もう会えないことが、こんなにも辛いだなんてアリシアは思いもしなかった。
「アリシア、今までありがとう。突然現れた俺を信じて、こうして側にいさせてくれてありがとう。まあ、途中でフレデリックに怒られてちょっと離された時もあったけどな」
フッと微笑むフレンの顔は、とても優しいのに寂しげだ。
「死ぬ前に一目会いたいと願ったのがこんなに若いアリシアだとは思わなかったけど、でも会えて本当によかった」
そう言って、フレンはアリシアの頬に手を伸ばす、だが、触れずに手前で止まる。
「私も、フレン様に会えてよかったです。始めは驚きましたけど、フレン様とフレデリック様と過ごす日々は本当に目まぐるしくて、でも愛おしくて……あ、れ?」
アリシアの両目から、ポロポロと涙が落ちる。
「すみません、泣くつもりはなかったんです。でも、どうして、涙が、止まらな……」
フワッとアリシアの体を温かさが包み込む。気がづくと、アリシアはフレンに抱きしめられていた。
「アリシア、愛してる」
フレンのその一言で、アリシアの涙腺は決壊した。自分でもなぜだかわからないくらいに、涙が次から次へと流れ落ちてしまうのだ。
(わ、たし、どうしてこんなに、悲しいの?フレン様と、離れるのが、こんなに辛いなんて)
フレンの温もりが、匂いが、アリシアをより一層悲しみへ突き動かす。心の奥底から、フレンを失いたくないという思いが湧き出て涙が止まらない。
「フレン様、お願い、どうか、死なない、で」
フレンの腕の中で、アリシアは精一杯言葉を紡ぐ。その言葉を聞いて、フレンのアリシアを抱きしめる力がより一層強くなった。
「アリシア、きっと大丈夫だ。絶対なんてわからないけど、でも、きっと大丈夫だ。俺は未来に帰って、未来のアリシアとちゃんと会う。そして、同じように愛してるって伝えるから。だから、心配するな」
そう言ってフレンはアリシアから体を離し、アリシアの顔を覗き込んだ。アリシアの目にはまだ涙がいっぱい浮かんで光に当たり、キラキラと輝いている。フレンはアリシアの前髪にそっと優しく口付けた。
「本当は唇にキスしたいんだが、それは俺じゃなくてフレデリックがすることだ。アリシア、フレデリックと、俺と幸せになってくれ。俺は未来に帰って、またアリシアを愛する。ずっとずっと、いつだって俺はアリシアを愛してる」
そう言って優しく微笑むフレンを見て、アリシアはまた両目から涙をポロポロとこぼした。そして、アリシアは背伸びをしてフレンの頬に唇を当てた。
「……アリシア?」
「フレン様の唇にキスするのは、私ではなくて未来の私。でも、これくらは許されるかと思って」
涙を浮かべながらフワッと微笑むアリシアを見て、フレンの心臓は締め付けられる。
「私、これからフレデリック様と愛を育めるように頑張ります。頑張ることではないのかもしれませんが……フレデリック様のことを思うと、胸がドキドキして、もっとフレデリック様のことを知りたいと、そう思うようになっているんです。だから、フレン様もどうか、未来でまた私とたくさん愛を深めていってくださいね」
アリシアの言葉に、フレンは思わずまた力強くアリシアを抱きしめる。
「ああ、もちろんだ。愛してる、アリシア」
(どうしましょう、何か話したいのに、何を話せばいいのかわからない)
きっと、もう二度と会えない。わかっているのに、どう声を掛ければいいのかわからず、アリシアは戸惑う。
「アリシア」
突然、フレンがアリシアの名前を呼んだ。アリシアがフレンを見ると、フレンはアリシアに優しく微笑んでいた。
(フレン様)
胸がズキンと痛む。もう会えないことが、こんなにも辛いだなんてアリシアは思いもしなかった。
「アリシア、今までありがとう。突然現れた俺を信じて、こうして側にいさせてくれてありがとう。まあ、途中でフレデリックに怒られてちょっと離された時もあったけどな」
フッと微笑むフレンの顔は、とても優しいのに寂しげだ。
「死ぬ前に一目会いたいと願ったのがこんなに若いアリシアだとは思わなかったけど、でも会えて本当によかった」
そう言って、フレンはアリシアの頬に手を伸ばす、だが、触れずに手前で止まる。
「私も、フレン様に会えてよかったです。始めは驚きましたけど、フレン様とフレデリック様と過ごす日々は本当に目まぐるしくて、でも愛おしくて……あ、れ?」
アリシアの両目から、ポロポロと涙が落ちる。
「すみません、泣くつもりはなかったんです。でも、どうして、涙が、止まらな……」
フワッとアリシアの体を温かさが包み込む。気がづくと、アリシアはフレンに抱きしめられていた。
「アリシア、愛してる」
フレンのその一言で、アリシアの涙腺は決壊した。自分でもなぜだかわからないくらいに、涙が次から次へと流れ落ちてしまうのだ。
(わ、たし、どうしてこんなに、悲しいの?フレン様と、離れるのが、こんなに辛いなんて)
フレンの温もりが、匂いが、アリシアをより一層悲しみへ突き動かす。心の奥底から、フレンを失いたくないという思いが湧き出て涙が止まらない。
「フレン様、お願い、どうか、死なない、で」
フレンの腕の中で、アリシアは精一杯言葉を紡ぐ。その言葉を聞いて、フレンのアリシアを抱きしめる力がより一層強くなった。
「アリシア、きっと大丈夫だ。絶対なんてわからないけど、でも、きっと大丈夫だ。俺は未来に帰って、未来のアリシアとちゃんと会う。そして、同じように愛してるって伝えるから。だから、心配するな」
そう言ってフレンはアリシアから体を離し、アリシアの顔を覗き込んだ。アリシアの目にはまだ涙がいっぱい浮かんで光に当たり、キラキラと輝いている。フレンはアリシアの前髪にそっと優しく口付けた。
「本当は唇にキスしたいんだが、それは俺じゃなくてフレデリックがすることだ。アリシア、フレデリックと、俺と幸せになってくれ。俺は未来に帰って、またアリシアを愛する。ずっとずっと、いつだって俺はアリシアを愛してる」
そう言って優しく微笑むフレンを見て、アリシアはまた両目から涙をポロポロとこぼした。そして、アリシアは背伸びをしてフレンの頬に唇を当てた。
「……アリシア?」
「フレン様の唇にキスするのは、私ではなくて未来の私。でも、これくらは許されるかと思って」
涙を浮かべながらフワッと微笑むアリシアを見て、フレンの心臓は締め付けられる。
「私、これからフレデリック様と愛を育めるように頑張ります。頑張ることではないのかもしれませんが……フレデリック様のことを思うと、胸がドキドキして、もっとフレデリック様のことを知りたいと、そう思うようになっているんです。だから、フレン様もどうか、未来でまた私とたくさん愛を深めていってくださいね」
アリシアの言葉に、フレンは思わずまた力強くアリシアを抱きしめる。
「ああ、もちろんだ。愛してる、アリシア」



