メリッサがサリオンに寄り添うと宣言してから一週間が経った。その後、サリオンはおかしな行動をとることもなく、メリッサもアリシアによく懐いている。今までとは違う、本当に心を許しあえた姉妹のような関係だ。
「どうやら本当に解決できたようだ」
「そうみたいだな。まさかメリッサがサリオンにあんな風に歩み寄るとは思いもしなかったが、おかげでサリオンは大人しくメリッサと友達になったみたいだし」
フレデリックとフレンの会話を聞きながら、アリシアはぼうっとフレンを見つめている。
(平穏な日々が訪れて、毎日が幸せで満ちているけれど、それはもうすぐフレン様がこの時代からいなくなるということなのよね)
ふと、フレンがアリシアを見て微笑み、その微笑みを見てアリシアは思わず顔を赤らめて目線を逸らす。
「本当に解決したなら、俺はそろそろ本来の時代に戻らないとだ」
フレンの言葉に、アリシアはハッとして顔を上げる。
「明日、戻ろうと思うよ」
「そんな急にですか!?」
「明日って……流石にいきなりすぎるんじゃないのか」
アリシアもフレデリックも驚いてフレンに詰め寄るが、フレンは眉を下げて寂しげに微笑んだ。
「先延ばしにしてもいつかは戻らなきゃいけないんだ、だったら早いほうがいいだろう。それに、怖気付く前に帰りたい」
「フレン……」
未来に戻ったとして、本当にフレンが無事でいられるかどうかはわからない。問題を解決しない限りは未来へ戻ったところで即死と言われている。フレンたちは問題を解決した、とは思っているが、それが合っているかどうかはわからないのだ。
「なあ、フレデリック。最後にアリシアと二人きりで話をさせてくれないか?」
フレンがフレデリックをじっと見つめて尋ねると、フレデリックは顔を顰めて無言になった。じっと床を見つめ、黙り込んでいる。
(フレデリック様……私も、できればフレン様とお話がしたいけれど)
アリシアがそっとフレデリックを見つめると、フレデリックがアリシアへ視線を移す。そして、少し寂しそうな顔をすると、フレンへ視線を戻した。
「……わかった。最後に一度だけ、アリシアと二人きりになるのを許そう」
「いいのか?本当に?」
「なんだよ、嬉しくないのか」
「いや、嬉しいけど」
ダメだと言われると思っていたフレンは驚いているが、フレデリックはそんなフレンを呆れた顔で見つめた。
「これで本当に最後になるかもしれない、だったら、最後くらいいいだろ。それに、あんたは俺なんだし。あ、でも変なことはするなよ」
そう言って、フレデリックはドアを開けて部屋を出ようとする。出る寸前、アリシアを見るとアリシアもフレデリックを見つめ、静かに微笑んだ。それを見たフレデリックは、頷いて部屋を出た。
「どうやら本当に解決できたようだ」
「そうみたいだな。まさかメリッサがサリオンにあんな風に歩み寄るとは思いもしなかったが、おかげでサリオンは大人しくメリッサと友達になったみたいだし」
フレデリックとフレンの会話を聞きながら、アリシアはぼうっとフレンを見つめている。
(平穏な日々が訪れて、毎日が幸せで満ちているけれど、それはもうすぐフレン様がこの時代からいなくなるということなのよね)
ふと、フレンがアリシアを見て微笑み、その微笑みを見てアリシアは思わず顔を赤らめて目線を逸らす。
「本当に解決したなら、俺はそろそろ本来の時代に戻らないとだ」
フレンの言葉に、アリシアはハッとして顔を上げる。
「明日、戻ろうと思うよ」
「そんな急にですか!?」
「明日って……流石にいきなりすぎるんじゃないのか」
アリシアもフレデリックも驚いてフレンに詰め寄るが、フレンは眉を下げて寂しげに微笑んだ。
「先延ばしにしてもいつかは戻らなきゃいけないんだ、だったら早いほうがいいだろう。それに、怖気付く前に帰りたい」
「フレン……」
未来に戻ったとして、本当にフレンが無事でいられるかどうかはわからない。問題を解決しない限りは未来へ戻ったところで即死と言われている。フレンたちは問題を解決した、とは思っているが、それが合っているかどうかはわからないのだ。
「なあ、フレデリック。最後にアリシアと二人きりで話をさせてくれないか?」
フレンがフレデリックをじっと見つめて尋ねると、フレデリックは顔を顰めて無言になった。じっと床を見つめ、黙り込んでいる。
(フレデリック様……私も、できればフレン様とお話がしたいけれど)
アリシアがそっとフレデリックを見つめると、フレデリックがアリシアへ視線を移す。そして、少し寂しそうな顔をすると、フレンへ視線を戻した。
「……わかった。最後に一度だけ、アリシアと二人きりになるのを許そう」
「いいのか?本当に?」
「なんだよ、嬉しくないのか」
「いや、嬉しいけど」
ダメだと言われると思っていたフレンは驚いているが、フレデリックはそんなフレンを呆れた顔で見つめた。
「これで本当に最後になるかもしれない、だったら、最後くらいいいだろ。それに、あんたは俺なんだし。あ、でも変なことはするなよ」
そう言って、フレデリックはドアを開けて部屋を出ようとする。出る寸前、アリシアを見るとアリシアもフレデリックを見つめ、静かに微笑んだ。それを見たフレデリックは、頷いて部屋を出た。



