◇
フレンが部屋を出てからどのくらい経っただろうか。ガチャリ、とドアが開いたのでフレンが振り返ると、ドアの間からフレデリックが見える。
(とんだ色気だな)
フレデリックからは色気がむんむんと漏れ出ており、部屋の中からほのかに甘美な香りがする。その香りに思わずフレンは目を瞑って眉を顰め、静かにため息をつき、部屋の中へ入った。ベッドには気を失ったのであろうアリシアが横たわっている。ドレスは脱がされ、スリップ姿になっている。アリシアの胸元に赤い小さな花のような跡がいくつも咲いているのを見つけ、フレンは苦笑した。
「終わったのか」
「ああ」
「最後までしたのか」
「するわけないだろ。こんな状態のアリシアにがっつくなんて俺自身が許せない。手と口だけでなんとか終わらせた」
「上出来だな」
ポンとフレデリックの肩に手を置き、フレンはそっとフレデリックの下半身に視線を送る。そこにはフレデリックのそれが、ズボンの布越しに窮屈だと言わんばかりに自己主張していた。
「お前、大丈夫なのか」
「問題ない、アリシアが気を失ってから自分で処理した」
「処理してなおそれか。難儀なこったな」
「仕方ないだろ。あんたこそ大丈夫なのかよ」
「さっきまでおさまってたんだが、お前の様子とこの部屋の匂い、極めつけはアリシアを見て駄目になったな。まあすぐに落ち着くさ」
フレデリックもフレンの下半身に視線を送り、お互いに大きくため息をつく。
「屋敷へ戻ろう。この屋敷の主には適当な理由をつけて言っておく」
「ああ、頼む」
フレデリックはアリシアを起こさないように注意しながらなんとかドレスを着せ、ソファにかかっていたブランケットでアリシアを優しく包み、横抱きにして持ち上げた。
「なるべく人気のない廊下を歩いて行けよ、馬車で落ち合おう」
「ああ」
フレンが部屋を出てからどのくらい経っただろうか。ガチャリ、とドアが開いたのでフレンが振り返ると、ドアの間からフレデリックが見える。
(とんだ色気だな)
フレデリックからは色気がむんむんと漏れ出ており、部屋の中からほのかに甘美な香りがする。その香りに思わずフレンは目を瞑って眉を顰め、静かにため息をつき、部屋の中へ入った。ベッドには気を失ったのであろうアリシアが横たわっている。ドレスは脱がされ、スリップ姿になっている。アリシアの胸元に赤い小さな花のような跡がいくつも咲いているのを見つけ、フレンは苦笑した。
「終わったのか」
「ああ」
「最後までしたのか」
「するわけないだろ。こんな状態のアリシアにがっつくなんて俺自身が許せない。手と口だけでなんとか終わらせた」
「上出来だな」
ポンとフレデリックの肩に手を置き、フレンはそっとフレデリックの下半身に視線を送る。そこにはフレデリックのそれが、ズボンの布越しに窮屈だと言わんばかりに自己主張していた。
「お前、大丈夫なのか」
「問題ない、アリシアが気を失ってから自分で処理した」
「処理してなおそれか。難儀なこったな」
「仕方ないだろ。あんたこそ大丈夫なのかよ」
「さっきまでおさまってたんだが、お前の様子とこの部屋の匂い、極めつけはアリシアを見て駄目になったな。まあすぐに落ち着くさ」
フレデリックもフレンの下半身に視線を送り、お互いに大きくため息をつく。
「屋敷へ戻ろう。この屋敷の主には適当な理由をつけて言っておく」
「ああ、頼む」
フレデリックはアリシアを起こさないように注意しながらなんとかドレスを着せ、ソファにかかっていたブランケットでアリシアを優しく包み、横抱きにして持ち上げた。
「なるべく人気のない廊下を歩いて行けよ、馬車で落ち合おう」
「ああ」



