フレデリックの言葉にアリシアは首を傾げたが、すぐにフレデリックの腕の中に包まれてしまう。
「フレデリック様?!」
アリシアは慌ててフレンの時のように身を捩るが、フレデリックも腕の力を弱めてはくれない。フレデリックの突然の行動に、フレンは頭をかきながらあーあ、とぼやいた。
「あいつの匂いがする、気に食わない」
アリシアからフレンの香りがして、フレデリックはたまらずギュッとアリシアを強く抱きしめる。
(ど、どうしてフレデリック様まで抱きしめてくるの!?)
突然すぎてアリシアは頭が混乱している。しかもフレデリックの抱き締める力が強すぎて、アリシアはだんだん苦しくなってきた。
「フ、フレデリック様、苦しいです」
「ごめん、でももうちょっとだけこうさせて」
フレデリックの返答に、アリシアは諦めて力を抜くと、フレデリックはさらに強くアリシアを抱きしめた。フレンとは違う、フレンよりも少し細身で、でもやはり男らしい体つきだ。
(まさかフレデリック様にまで抱きしめられるなんて)
次々に起こる出来事にアリシアは頭が追いつかない。心臓はうるさくなり響き、ずっと身体中が熱くてたまらないし、顔も熱ってしまっている気がする。
気が済んだのだろう、ようやくフレデリックから解放されると、アリシアはほうっと息をついた。
「俺が抱きしめていたからって抱きしめるなんてお子様だな」
「うるさい、あんたがアリシアを抱きしめてるのに婚約者の俺が抱きしめないないんておかしいだろ」
フレデリックはフレンをキッと睨むが、フレンは余裕そうな顔をしてどこ吹く風だ。
「あ、あの、フレデリック様、何か用があって来たのでは?」
「君が部屋に戻ってからフレンの姿も見えなくなってたから、嫌な予感がしたんだ。それで来てみたら案の定これだよ。隙も何もあったもんじゃない」
「俺の行動が気になるならアリシアを不安にさせるなよ。俺はアリシア第一主義なんだ、お前は俺なんだからそれくらいわかるだろ」
腕を組んでフレンがそう言うと、フレデリックはまたフレンを忌々しそうに睨む。
「アリシア、こいつ借りてくわ。フレデリック、俺と一緒に来い」
「は?何言って……」
「いいから来いって言ってんだよ」
フレンの有無を言わさぬ気迫に、フレデリックは思わず黙り込む。そうして、フレンはフレデリックを連れてアリシアの部屋を後にした。
「フレデリック様?!」
アリシアは慌ててフレンの時のように身を捩るが、フレデリックも腕の力を弱めてはくれない。フレデリックの突然の行動に、フレンは頭をかきながらあーあ、とぼやいた。
「あいつの匂いがする、気に食わない」
アリシアからフレンの香りがして、フレデリックはたまらずギュッとアリシアを強く抱きしめる。
(ど、どうしてフレデリック様まで抱きしめてくるの!?)
突然すぎてアリシアは頭が混乱している。しかもフレデリックの抱き締める力が強すぎて、アリシアはだんだん苦しくなってきた。
「フ、フレデリック様、苦しいです」
「ごめん、でももうちょっとだけこうさせて」
フレデリックの返答に、アリシアは諦めて力を抜くと、フレデリックはさらに強くアリシアを抱きしめた。フレンとは違う、フレンよりも少し細身で、でもやはり男らしい体つきだ。
(まさかフレデリック様にまで抱きしめられるなんて)
次々に起こる出来事にアリシアは頭が追いつかない。心臓はうるさくなり響き、ずっと身体中が熱くてたまらないし、顔も熱ってしまっている気がする。
気が済んだのだろう、ようやくフレデリックから解放されると、アリシアはほうっと息をついた。
「俺が抱きしめていたからって抱きしめるなんてお子様だな」
「うるさい、あんたがアリシアを抱きしめてるのに婚約者の俺が抱きしめないないんておかしいだろ」
フレデリックはフレンをキッと睨むが、フレンは余裕そうな顔をしてどこ吹く風だ。
「あ、あの、フレデリック様、何か用があって来たのでは?」
「君が部屋に戻ってからフレンの姿も見えなくなってたから、嫌な予感がしたんだ。それで来てみたら案の定これだよ。隙も何もあったもんじゃない」
「俺の行動が気になるならアリシアを不安にさせるなよ。俺はアリシア第一主義なんだ、お前は俺なんだからそれくらいわかるだろ」
腕を組んでフレンがそう言うと、フレデリックはまたフレンを忌々しそうに睨む。
「アリシア、こいつ借りてくわ。フレデリック、俺と一緒に来い」
「は?何言って……」
「いいから来いって言ってんだよ」
フレンの有無を言わさぬ気迫に、フレデリックは思わず黙り込む。そうして、フレンはフレデリックを連れてアリシアの部屋を後にした。



