超フツーなハズの私が黒王子様のお気に入り?!そんなの絶対ありえません!?

走り出そうと踏み出した足をぴたりととめて、
「はい、なんでしょうか?」
と、華様に聞く。
「ええっと、あの、その………」
華様は頬をピンクに染めて、恥ずかしそうにしながら、何か言いたげな顔をしている。
3秒、10秒、30秒。
いきなり、雅様がはぁー、とため息をついた。
「その子と一緒に寮まで行きたいんだろ?」
雅様の言葉に、コクコク、と頷く華様。
「ってことだから、うちの妹と一緒に行ってやってくれないか?」
ええっ?!
「そ、そんな…、恐縮です…」
無理無理無理無理、絶対、無理!
私、今、逃げようとしてるんだよ?!
「ムーンガーデンの場所が分かんなくて、困ってたんだろ?一緒に行けば、分かるぞ?」
うっ、確かに……。
「お、お願いします……!」
華様にもそう言われてしまっては仕方がない。
「分かりました、私に努まるかは分かりませんが精一杯やらせていただきます」
ぺこり、とお辞儀をする。
「……!!ありがとうございます!」
花が咲くような笑顔で言われて、私までほっこりする。