「ずるいよ……咲夜は。
そうやって、自分が傷つかないための予防線ばかり張って。
だから、僕はそんなおまえに腹が立って、唯さんを君から奪おうとしたんだ。
でも――やっぱり無理だった」
流斗は、怒っているような、泣いているような……複雑な顔で笑った。
「いい加減、自分を守るのはやめろよ! 唯さんと向き合え!
でないと、本当に手遅れになるぞ!」
その叫びが、真っ直ぐに胸へ突き刺さる。
そうだ、俺……ずっと唯から逃げてた。
唯のためじゃない。自分のためだ。
傷つきたくないから。
唯に拒絶されるのが怖くて。
だから、逃げたんだ。
でも、それで唯を失ったとしたら?
それでいいのか?
……嫌だ。絶対に嫌だ。
俺は唯が好きだ。
あいつを、失いたくない。
決意を込めて、流斗をまっすぐ見つめ返した。
「流斗……ありがとう。俺、唯に想いを伝えるよ」
その言葉に、流斗の口元がかすかにゆるむ。
「ふっ、本当に世話が焼けるんだから。
でも、もしまた唯さんを傷つけるようなことがあれば、遠慮しないよ。
今度こそ僕が唯さんを奪いにいくから。
だから、そんなこと……させないでくれ」
瞳には、ほんのりと涙が滲んでいた。
その想いに応えるように、俺は強く頷いた。
「もうすぐ、クリスマスだろ? ちょうどいいんじゃないか?」
流斗の言葉に背中を押されるように、心が決まった。
――クリスマスに、唯に伝えよう。
もう逃げたりしない。
自分の気持ちを、まっすぐに――伝えるんだ。
