義兄に恋してたら、男になっちゃった!? こじ恋はじめます


 それから両親と合流して、残りの時間は家族みんなで過ごした。
 賑やかで、笑顔があふれていて――

 それはそれで、すごく幸せな時間だった。

 でも、本音を言えば、もう少しだけ……二人でいたかった。

 それでも、確実に前に進んでいる気がする。
 今日みたいに柔らかな空気の中で過ごせただけで、十分満足だった。

 こんな機会をくれた両親には、ほんと感謝だよ。


 帰り道の車の中。
 父が運転席、母が助手席。
 そして、私と兄は後部座席に並んで座っていた。

 膝の上に抱えたセーターの包みを見つめる。

 思いがけない兄からのプレゼント。
 嬉しくて、自然とまた頬がゆるんだ。

「なあ、唯」

 ふいに兄が声をかけてきた。

「なに?」

 そのときの私は、まだふわふわした気持ちに包まれていた。
 今日はいい日だったな――なんて、呑気に思っていた。