……そこまではよかったんだけど。
ちらりと兄を盗み見る。
ふたりきりの空間が久しぶり過ぎて、緊張する。
でも、なんだか、今日の兄はいつもより話しやすい気がする。
それに、どこか雰囲気まで柔らかく感じる。
もしかして……お兄ちゃんも、ほんとは仲直りしたいって思ってくれてるのかな?
って、別に仲たがいしたわけじゃないけどね。
そんな淡い期待を胸に、私は兄の少し後ろを歩いていた。
「ここ、入るか? おまえ好きだろ?」
兄が立ち止まった先には、私のお気に入りのブランドの服屋さん。
「えっ、いいの?」
「ああ、もちろん。おまえに似合う服、選んでやるよ」
優しい笑みと嬉しい言葉――そんなの、ときめかないわけがない。
「うんっ!」
私は急いで兄のもとへと駆け寄る。
何これ、今日の展開。めちゃくちゃいい感じなんだけど。
嬉しいよ〜。
