ドクドクドクドク――激しく荒ぶる心臓。
私の気持ちを表すかのように、心が叫び踊る。
次の瞬間。
ドクン、と胸の奥が大きく脈を打った。
そして――私は、優に変身した。
「しっかりしろっ!」
兄の声が耳に響く。
肩を掴まれて、強く揺さぶられる。
反射的にその手を振り払った。
「……っ」
傷ついた兄の顔が、視界に焼きついた。
「あ……ご、ごめんなさい」
それだけ呟くと兄に背をむける。
そのまま、ふらふらとした足取りで、部屋から出た。
「唯!」
兄の叫び声が背中に届く。
けれど、追ってくることはなかった。
