「いやぁ……これは、いいですね」
俯きながら、ぽそっとつぶやく。
え? なに、どういうこと?
流斗さんも実は恥ずかしかったの? なら、なんでやったの……。
私まで恥ずかしくなってしまって、つい視線を落とす。
「じゃ、じゃあ僕もいただきます」
私が口をつけたその箸で、流斗さんはためらうことなくたこ焼きを口に運んだ。
……あ、間接キス。
恥ずかしくて、視線が泳ぐ。
い、意識し過ぎだよね。
ちらっと流斗さんを見たけれど、まるで気にしていない様子。
「うん、美味しいですね」
本当に嬉しそうに笑うから。私も、つい笑ってしまった。
「は、はい」
ああ、私、いったい何してるんだろう……。
まるで、ほんとの仲良しカップルみたいなことして。
早く、言わなくちゃいけないことがあるのに。
――それなのに、それなのに。
どうしよう~!
