……ほんと、こういう話になるとテンション上がるんだよね。蘭って。
 少女マンガの展開みたいで、楽しんでるんじゃないの?

 少し訝しむように視線を向けながら、ためらいがちに口を開いた。

「でもさ……今まで私を好きっぽいこと、言ったことないし、態度でもそんな感じじゃなかった。
 それに、お兄ちゃんには加奈さんがいるし。流斗さんと私が付き合うってなったときも――」

 そこまで言って、口をつぐむ。

 あれ……そういえば、あのとき少し嫌そうにしてたかも?

 急に冷たくなった態度も、もしかして。
 流斗さんのこと、応援してくれてたのもあると思うけど……あれって、妬いてたの?

 黙り込む私に、蘭が顔をのぞき込んでくる。

「何か、思い当たることでも?」

「え! う、うーん……。
 もしかして、お兄ちゃん。流斗さんに妬いてたのかなって思うときも……あった、かも」

 そう口にした途端、蘭は飛び跳ねそうな勢いで喜んだ。