「蘭~、私どうしたらいい? もうほんとにわからないの~!」

 パジャマ姿でベッドに並んで座る私たち。
 私は半ば叫ぶように、昨日の兄の行動を一気にぶちまけた。

 勢いよく蘭に抱きつくと、彼女は優しく頭を撫でてくれる。

「うーん、そっかあ。それはそれは」

 しばらく考え込んだあと、真面目な表情に変わる。

「まあ、咲夜さんの気持ちがどうこうっていうのは、私の口からは言えないけど……。
 唯は嬉しかったんでしょ?」

 その問いに、私はぴたりと動きを止めた。

「う……ん。うれしかったよ。でも、急すぎるよ~」

「あーはいはい」

 また泣きつく私を、蘭は苦笑しながらなだめてくれる。

「じゃあ、よかったじゃん。咲夜さんからキスされたってことは……咲夜さんも唯のこと!」

 期待に満ちた目で蘭が私を見つめてくる。

「そう、なのかな?」

 不安げに見つめ返すと、彼女がいきり立つ。

「何言ってんの! なんとも思ってない子にキスなんてする?
 それに、あんた義理とはいえ、妹だよ? 相当な覚悟があってのことだと思う」

 蘭は少しにやけながらも、真剣な眼差しでそう言った。