「ど、ど、どういうこと!?」

 私は鏡の中の自分をまじまじと見つめる。

 どう見ても、いつもの私じゃない。
 男の子になってる――。

 自慢だった長い髪も、ショートカットに早変わり。
 顔立ちも、どことなく男らしくなっている気がする。

 でも、一番の変化は体だ。
 胸はぺたんこだし。……あ、あそこに違和感が。

 恐る恐る、その場所に手を伸ばしかけた瞬間。

「やめろ! そんなおまえ見たくない」

 兄がその手をがしっと掴んで止めた。

 驚いて振り返ると、兄と目が合う。
 兄は複雑そうな表情で、私をじっと見つめた。

「唯、だよな? いったい、どうなってるんだ……」

「そ、そんなの、私が聞きたいよ!」

 泣きそうになりながら、私は情けない声で兄に縋りついた。