でも――それっきり、兄とはろくに話せず。
もやもやした気持ちを引きずったまま、次の種目が始まってしまった。
さっきのことをちゃんと聞きたかったのに、なんだか気まずくて、結局何も言えない。
だって、急にあんな態度取られても、こっちは気持ちが追いつかない。
今までずっと避けてたのは、どういう意味だったの?
嬉しかった。すごく嬉しかったけど……。
ふと、流斗さんの顔が思い浮かぶ。
申し訳ないことをしてしまった。
彼は私のこと、大切だって思ってくれていたのに。
私は、流斗さんを選ばなかった。
ああ、なんて酷いことを……。最低だ。
一人で落ち込んでいると、突然、元気な声が飛んできた。
「あっ、こんなとこで何してるの? 次、流斗さんの出番だよ!
今度は綱引き。しかも、また咲夜さんと勝負らしいよ!」
「ええっ!?」
蘭の言葉に、私は目を丸くした。
ちょっと待って、なんでまた!?
次から次へと――
