やってきたのは、某有名ファストフード店。
店内のざわめきを背に、注文を終えた私たちは窓際の二人席に腰を下ろす。
トレイの上にはハンバーガーとポテト、ジュースが並んでいた。
おいしそう。空腹に誘われ、頬がゆるむ。
「いただきます!」
勢いのまま、大きな口でハンバーガーにかぶりついた。
すると、目の前の流斗さんが一瞬きょとんとして、それからふっと笑う。
「ほえ?」
口いっぱいにハンバーガーを頬張りながら、小さく首を傾げる。
「ははっ、唯さんってほんと、可愛いなあ」
くすくすと笑う声にくすぐったくなり、頬がほんのり熱を帯びる。
あわててハンバーガーを飲み下し、ジュースで口を潤してから拗ねたように抗議した。
「る、流斗さん、人が美味しく食べてる姿を見て笑うなんてひどいじゃないですか!
私だって、一応乙女なんですよ?」
言ってから反省する。あの食べっぷりは乙女としてどうなのか。
何も考えてなかった――恥ずかしい。
「いえいえ、好きに食べてください。僕が悪かったです、笑ってしまってごめんなさい。
でも、悪い意味じゃなくて、いい意味での笑いですから」
流斗さんは微笑みながら、じっと私を見つめる。
「そ、そうですか……」
私は口元を拭いながら、視線を伏せた。
もっと女の子らしい子の方がいいんじゃない? なんで流斗さんは、私なんか――
そっと視線を上げると目が合った。
優しい笑みが返ってきて、胸が高鳴る。
やっぱり、流斗さんって格好いい……。
綺麗な顔してるし、スタイルもいいし、見惚れちゃう。
告白されてからというもの、ますます意識してしまうようになった。
意識すればするほど、さらに素敵に見えてしまって、ほんと困る。
「よかった」
「へ?」
不意につぶやかれたその言葉に、私は目を瞬かせる。
流斗さんは、ほっとしたように口元をゆるめた。
「今日はなんだか元気がなかったから、少し心配で。
でも、よく食べてくれるから安心しました」
そう言って、また優しく微笑んだ。
その瞳は、まっすぐに私を見ている。
「流斗さん……」
胸の奥がじんわり温まる。
こんなに想ってくれているなんて。
私には、流斗さんは勿体ないくらいの人だ。
