5月になった。



もうすぐ、高校生になって1番最初の行事がやってくる。




「じゃあ今から、2泊3日キャンプで過ごすグループを決めてもらう!寝るときはもちろん男女別だが、活動時は混合で最低4人組だぞー」



呼びかけのすぐあとにあたしの席にやってくる人。


「明日菜はわたしと一緒の班ね」


「茜……」

反応が悪くても、めげずに毎日話しかけてくる藤田さんに負けて、あたしはついに茜と呼ぶようになっていた。




「あとは男子だよね〜」



「お前らあまり?」


話しかけてきたのは山崎くんだった。


その隣にいるのはたしか……


「蓮と侑くん!グループ組もうよ」


そうだ。
高橋侑(たかはしゆう)くん。


山崎くんとよく一緒にいる男の子だ。



「宮本は大丈夫?」


「へ?あ、うん……」




山崎くんより背が高くて色白で、落ち着いた雰囲気を持つ彼。



キャンプ場のマップを見て盛り上がる山崎くんと茜を眺めていると高橋くんが言う。


「思ったことあったら言いなよ」


「ありがと」


口数は少ないけど、周りをよく見てる人なのかな……





キャンプは、1ヶ月後。




1ヶ月後か……



あの日から、もうすぐ3年が経つんだね。





あたしが、親友の命を奪ったあの日から。