君の明日を照らしたい(仮)



家に帰ると自分の部屋でそのノートを開いた。





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20〇〇年 6月15日


10さいになった!

ということで、今日から日記をはじめてみる!


誕生日プレゼントは

あすながかわいいふでばこをくれたから、

使うのが楽しみだなあー

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1ページ目は小学校4年生の誕生日から始まっていた。


それからまばらに記録されていて、半年後からはペースがぐんと落ちている。


完全に忘れてる……


次に書かれていた日付は、小学校6年生の頃。




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20〇〇年 7月2日


日記のこと忘れてたよ

これからは、ちゃんと書くことにする


お母さんに、あっという間に

中学生になっちゃうよって言われたけど

友だちできるかなあ


でも明日菜がいれば、大丈夫!

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20〇〇年 4月6日


今日から中学生。

明日菜とはクラスが離れちゃったけど、

これからもずっと仲良くしたい。


明日菜、大好き。

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20〇〇年 5月20日


明日菜が苦しんでるのに、何も出来ないなんてやだ。


先生が聞いてくれないなら、


あたしが直接話すしかないよね……


ちょっと怖いけど、大丈夫。


あたしが、明日菜を笑わせてあげるね!


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日記に出てくるのは、あたしの名前ばかり。






陽の家の玄関を出たとき、陽のお母さんに呼び止められたことを思い出す。


『陽の人生は短かったけど……あんな終わり方だったけど……明日菜ちゃんと過ごして毎日幸せだったと思うの。ありがとうね』




明るくて優しい陽に、いつも助けられていた。


でも、あたしも陽の役に立ってたのかな。


幸せだと思ってくれてたのかな。





分からないけど、陽の字を見て、



そうだったらいいなって思うことができた。





「……明日菜?」

黙ったままのあたしを不審に思ったのか侑が顔を覗き込む。

「……夏休み、楽しまないとね」


「そーだなー!」


気付けば蓮と茜が隣にいた。





あたしたちの周りは、


いつも笑顔で溢れていた。



これから起こることも知らないで。