君の明日を照らしたい(仮)

帰りのバス。


バスの前方と中央に付けられたテレビからは、生徒がリクエストしたアニメが流れている。




みんな疲れて爆睡していたけど、あたしは起きていた。


昨日まで重たかった体が嘘のように軽い。



昨日、部屋に戻ってからは久しぶりに深い眠りにつくことができた。



ふと隣の蓮を見ると、すやすや寝息を立てて寝ていた。



昨日遅くまで付き合ってくれたから、寝不足なんだろう。



ほんと、ありがとね……






陽のことを忘れたわけじゃない。


会えない痛みが、



消えるわけでもない。



それでも、あたしは1歩前に進めた気がしていた。



だけどこのとき。


あたしの知らないところで、


黒い思いが渦巻いていた__