君の明日を照らしたい(仮)


キャンプといえど、テントで寝るわけではなく、男女それぞれ4つのグループに別れて宿泊棟で寝ることになっていた。



宿泊棟の東側が女子、西側が男子で間の部屋に先生たちが泊まるらしい。





__時刻は23時。


先生が就寝だと言いながら各部屋を回ってから、1時間が経っていた。



さっきまで夜更かしをして枕投げをしようとか恋バナをしようとか言っていたのに、騒ぎ疲れたのかみんなぐっすり寝ているようだった。



……今日は、陽の命日。



交代で起きているだろうけど、先生だって人なんだから、眠くなる瞬間だってあるはず。


音を立てないように、先生の泊まっている部屋を通り過ぎる。




「わぁ……」

夏の空に輝く星。

あたしが来たのは、ウッドデッキだった。

あたしたちが住んでる場所より、人工の光が少ないから星がよく見えるんだと施設の人が言っていた。







……陽の笑顔を思い出す。





高校の制服姿、かわいかっただろうな。

友だちもたくさんいて、いつも明るくて笑顔で……恋人もいたかもしれない。




そんな未来はもう、ない。


あたしのせいで。