キャンプのグループで集まるのも2回目になった。



同じクラスだから、自然と会話は増えて、あたしたちはすっかりイツメンになっていた。


あたしもみんなのことを呼び捨てするようになっていた。




はぁ……眠い。


陽の命日が近いこともあって、最近眠れていない。

こういうとき、茜や蓮みたいな明るい人たちがいると助かる。





『じゃあ最後に、アンケートを提出してもらうからな』



先生の指示で机をくっつけてグループごとで話し合いが始まる。

と言っても、雑談ばかりだけど。



「……な!明日菜!聞いてる?」

そう声をかけられて、自分がぼーっとしていたことに気付く。




「あ、ごめん!」



「も〜ちゃんと聞いててよ」


口を膨らませて文句を言う茜。

ほんと、いつも元気だなあ。

落ち込んでるところなんて、みたことない。




まあ、人の心の中なんて、わからないけど。



「てか、眠そうだなお前」


「え?あ〜、昨日夜更かししちゃって」


蓮にそう言われたけど、誤魔化した。


眠れないなんて言ったら、心配されそうだし。



茜と蓮が行きたい場所を出してくれて、侑がそれをまとめてくれたからすんなり決まった。

「じゃあ、あたしこれ出してくる」


なにもしないのもあれだから、あたしが紙を先生に提出しに行くことになった。


振り返ると、3人は笑顔で会話している。




「……っ」


数歩歩いたところで立ちくらみがして、視界がぶれる。



やっぱり、寝不足は体によくない。

わかっていても、自分の力で治せるものじゃないけど。



もう1度振り返ってみるけど、こちらを向いている人は誰もいなかった。



……大丈夫、これくらい。