「やたらお子様ランチに惹かれる」
「わかる」
海鮮が美味しいと評判の居酒屋でカシラをかじっている。
「小さい頃、
なんだよこんなこどもだまし、って思っていたものに今さら惹かれる」
「わかる」
「結婚してくれないか」
「断る」
90年代のポップス風邦ロックが流れる店内。壁には青い大漁旗。入り口にはカニやエビや貝類がいる大きな水槽。
海鮮市場内の食堂みたいなコンクリート打ちっ放しの床に並んだ長テーブル。すみっこ好きの私たちはいちばん奥の壁側の席で、向かい合って飲み物をたのしみながら焼き鳥を食べている。落ちものゲームのブロックが壁側をきちっと埋めるみたいに。
海鮮が美味しいと評判の居酒屋であえて豚肉を喰らっている。塩コショウだけのシンプルな味付け好き。あったかいルイボスティー美味しいな。
大窓の外が見えそうで見えない。半分以上がくもりガラスなのだ。そこに手書きのメニューをぺたぺた貼りつけている。達筆の筆文字で「酎ハイ」やら「エビ焼き」やら。
9月のとある金曜日。台風一過で気温が加熱したのは昼間だけのこと。夕方はしっかり秋めいて、夜になった今では寒いくらいだ。しかし空調のきいた店内にはまるで関係がない。
9割埋まった店内はにぎやかで活気がある。「生もう1つ!!」「ハイよー!!」「エビ焼き追加ー!!」「ハイよー!!」店員さんたちも元気だ。その元気も給料分なのだろう。
「やたらガシャポンに惹かれる」
「わかる」
「知育菓子に惹かれる。練るのとか」
「わかる」
「結婚してくれないか」
「断る」
「わかる」
海鮮が美味しいと評判の居酒屋でカシラをかじっている。
「小さい頃、
なんだよこんなこどもだまし、って思っていたものに今さら惹かれる」
「わかる」
「結婚してくれないか」
「断る」
90年代のポップス風邦ロックが流れる店内。壁には青い大漁旗。入り口にはカニやエビや貝類がいる大きな水槽。
海鮮市場内の食堂みたいなコンクリート打ちっ放しの床に並んだ長テーブル。すみっこ好きの私たちはいちばん奥の壁側の席で、向かい合って飲み物をたのしみながら焼き鳥を食べている。落ちものゲームのブロックが壁側をきちっと埋めるみたいに。
海鮮が美味しいと評判の居酒屋であえて豚肉を喰らっている。塩コショウだけのシンプルな味付け好き。あったかいルイボスティー美味しいな。
大窓の外が見えそうで見えない。半分以上がくもりガラスなのだ。そこに手書きのメニューをぺたぺた貼りつけている。達筆の筆文字で「酎ハイ」やら「エビ焼き」やら。
9月のとある金曜日。台風一過で気温が加熱したのは昼間だけのこと。夕方はしっかり秋めいて、夜になった今では寒いくらいだ。しかし空調のきいた店内にはまるで関係がない。
9割埋まった店内はにぎやかで活気がある。「生もう1つ!!」「ハイよー!!」「エビ焼き追加ー!!」「ハイよー!!」店員さんたちも元気だ。その元気も給料分なのだろう。
「やたらガシャポンに惹かれる」
「わかる」
「知育菓子に惹かれる。練るのとか」
「わかる」
「結婚してくれないか」
「断る」



