「うわっ、またうっさいのが来た」


日向ちゃんは、うげっ、と苦虫を潰したように顔をしかめる。


「んだよ、そんな迷惑そうな顔しやがって!ね、華子ちゃん」


話をふられた私は、「はは…」と苦笑いをするしかない。


「ていうか、あんたこんなとこで何してんのよ。あんたのご主人様は?」


「なんだよご主人様って。俺が付き人みたいな言い方しやがって」


早瀬くんは不満気に眉を顰める。


……なんのことだろう?


「王子様と一緒にいるあんた見てれば、どっからどう見ても王子の付き人じゃない」


どうやらふたりの会話を聞いていると、早瀬くんはあの王子様と一番仲がいいらしい。