俺もう一度手の甲にキスをして、華子を見つめる。


「ずっと、俺のことだけ考えてろよ」



今もこの先もずっと、俺のことを考えてればいい。


他の男には触れさせない。


触れさせたくない。



「…あの…その…」


華子は俯いて視線を泳がせている。


けれど握ったままの手は、逃げようとせず俺に委ねられていた。


その小さなぬくもりを感じながら、俺は口元を緩める。





――もう、離す気なんてない。