自分で自分の家に来させたくせに、理性を保つので必死だった。 「綿谷の耳にあるピアス、綺麗ですね。開けるの痛くなかったですか?」 華子の声に、俺ははっと意識を現実に引き戻す。 「…別に痛くねえよ」 それよりも、俺はさっきからずっと気になって仕方がないことがある。