クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!



日向ちゃんは中学から仲が良い、一番の親友。


クラスは隣だけど、休み時間はよくこちらのクラスに来るのが日課。


内気で言いたいことを飲み込みがちな私とは対照的に、日向ちゃんは思ったことをはっきり口にする。


そんな姿が、私にはいつもまぶしくて、ヒーローに見えて。


日向ちゃんは親友であると同時に、私の憧れの存在でもあった。


実は、中里さんとは小学校からの付き合いで、日向ちゃんに出会う前からの付き合い。


初めて中里さんと関わりを持つようになったのは、5年生のクラス替えだった。


中里さんは小学生の頃からキラキラしていて、私とは真反対のタイプで。



そしてある日、クラス替えをするたびに行う、あの恒例行事がやってきた。


私がいちばん苦手とする、人前での自己紹介。