『あなたは、強いんだね』
脳裏に蘇る、柔らかく心地いい声。
「あ、そうだ蓮。今日クラスの女の子たちとカラオケ行くけど、お前もどう?」
そんな声は、琢磨のアホらしい言葉にかき消された。
「行くわけねぇだろ」
「でっすよねー」
こいつ、また女と遊ぶのか…?
毎日毎日飽きることなく、放課後には女子と遊んでいる琢磨に、俺は呆れのため息をついた。
「お前も、一回くらい合コンとか行ってみろよ!俺みたいに、人生経験積んだ方がいいぞ」
「お前はお前で、問題ありすぎんだよ」
ったく…
琢磨は元々アホではあるけど、女のこととなると偏差値はゼロに等しい。


