「無理」
いつも通り、そう言い捨てて俺はその場から立ち去った。
俺は不機嫌のまま、階段を降りる。
「 あ、おっかえりー!どうどう?可愛い子だった?」
「…知るか」
階段の下で俺を待っていたクラスメイトで友人の早瀬 琢磨(はやせ たくま)が顔を覗かせた。
「お前、そんな様子じゃまた振ったなー。ったく、どーして蓮はいつもこうなんだよ。お前、そんな調子じゃ、死ぬまで彼女できねーぞ?」
「ほっとけ」
彼女なんていらねぇし…
てか、そもそも俺にはずっと忘れられない存在のやつがいる。
どこにいて、いつ会えるのかもわからない存在だけど。


