「…っつ!」 突然しみるような鋭い痛みを感じて、思わず表情を歪めた。 「ご、ごめん!痛かった…?」 「……別に」 相変わらず強がる俺。 痛みを与えないように、さっき以上に優しく、傷を拭ってくれる。 ふと、その子が膝に抱える手提げ袋が目に入った。 名前が書かれている。 「……坂本 華子 (さかもと かこ)」 それを口にした。