「早く帰らないと、暗くなるだろ」


すでにプリントを抱えた綿谷くんが、保健室の入り口で、私を振り返る。


「あ、はい!」


電気を消して、保健室のドアを閉める。


…本当に、綿谷くんにお願いしてもいいのかな…


「…本当に、いいんですか?」


「いい。それより早く帰れ。親も心配すんだろ」


初めて会った綿谷くんに、お世話になりっぱなしだ。


「あ、ありがとうございます。あの、今日のお詫びとお礼、またちゃんとさせてください」


背の高い綿谷くんを見上げる。


涼しい表情の綿谷くんは、「じゃあ…」と呟いて…