メッセージの相手は、お母さんだった。


『もしスーパーの近くまで来てたら、牛乳お願い!ちなみに今日の夕飯はカレーです🍛』


カレーのイラスト付きのメッセージに、思わずクスッと笑ってしまった。


外を見れば、空はすでに赤色に染まっている。


家まではそんなに遠くはないけど、スーパーに寄るなら真っ暗になる前に学校出なきゃ…


お母さんに"了解"のスタンプを返信して、スマホをしまう。


綿谷くんが、じっとこっちを見ていた。


…なんだか、不機嫌そうな雰囲気を醸し出している。


「…今の誰?男?」


低い声に、私はおろおろと焦りを隠せない。


お、男の人の連絡先なんて、お父さんくらいしかないよっ