「あの上、屋上だけど」
「ええっ!?」
思わず、大きな声を出してしまった。
綿谷くんは小さく肩を揺らして、くすくすと笑っている。
…こんな風に笑う人なんだ。
なんて関係ないことを思ってしまって、違う違う!と頭の中でそれをかき消す。
屋上にプリントを運ぼうとしてたなんて、はたから見ればおかしいに決まってる。
「ほんと重症なんだな、方向音痴」
「うぅ…それは忘れていただけると…」
恥ずかしさのあまり俯く私に、綿谷くんはまだ体を小刻みに揺らしていた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…