クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!



電気も付いていない保健室内は誰の姿もなかった。


「あの、先生いないみたいで…簡単な手当てなら私もできるので、私がやってもいいですか?」


「…いいけど」


「必要なもの、準備しますね… えっと…そこの椅子に座って待っててもらってもいいですか?」


そう声をかけると、彼は無言で頷き、近くにあった椅子に腰を下ろした。


私は近くの棚を開き、必要な物品を探す。



なんだか、背中に視線を感じて、少し緊張が高まる。


……よし、これでいいかな。


消毒液にガーゼ、ハサミと傷パッドをトレーに乗せ、小さく深呼吸をしてから、彼の元へと歩み寄った。


向き直って座ると、やたら綺麗すぎる顔立ちが際立って、目が合っちゃうと思わず息が止まりそう…


上履きの色から、この人も1年生だとわかる。


こ、こんなかっこいい人がいたなんて知らなかったな…