「皿とか準備するから、そこ座って」
綿谷くんが指差した通りに、リビングのソファに座って綿谷くんを待つ。
今日は綿谷くんが主役なのに、なんだか色々準備してもらっちゃって、申し訳ない。
「ん」
お皿を持ってきた綿谷くんはケーキを取り分けて、ひとつを私の前に置いた。
「あ、ありがとうございます!その、ケーキ、お店に売ってるみたいに綺麗作れなくて…」
「そんなの気にするわけないだろ。お前が作ってくれたってのが嬉しいんだし」
「…それよりさ」
不意に、綿谷くんがそう言った。
何かと思って顔を上げた瞬間、腰に回された腕に、息が止まる。
「わっ!」
腰をぐっと引き寄せられて、距離が一気に縮まった。


