全くもって反省していなそうな綿谷くんに、私はむむ…と口を尖らせる。


それでも、綿谷くんはもっと面白そうに目を細める。


「怒ってんのか?」


小さく首を傾げる綿谷くんに、私はばっと立ち上がる。


「あ、当たり前です!」


そう言い返した瞬間、彼はふと思い出したように眉を上げた。


「ああ、そういやさっき、寝言言ってたな。しかも、けっこうでかい声で」


「ね、寝言!?」


夢を見ていたのかいなかったのか、記憶にないけど、寝言言っていたなんて、恥ずかしすぎる……


真っ赤になっているはずの顔を手で覆い隠して、今度は身を小さくして椅子に座った。


「わ、忘れていただけると…」