「当たり前だろ。いくらみんなに完璧だとか人気だとか思われたところで、嬉しくねえよ。俺はお前にだけ、ちゃんと知ってもらえればそれでいいんだし」


華子が驚いたように目を瞬かせる。


俺はそんな華子を見て、小さく笑った。


「華子は俺を完璧だって言ったけど、俺だって全然そんな人間じゃない。…わからないことだらけで、悩んでばっかだ」


特に、華子のこととなると、毎日悩んでばかりだし。


どうしたらお前が俺の隣にいてくれるのかとか…考えてばっかだ。


「お前といることが迷惑とか、思うわけないだろ。お前とだから一緒にいたい、って思うんだろ。だから、自分なんか、とか自分を卑下するようなこと言うな。お前はお前で、堂々としてればいい」


華子は少し俯いたまま、「…私」と小さな声で話始める。


「綿谷くんにからかわれてるのかなって、思っちゃって…綿谷くんのこと、ちゃんと信じれてなくて。自分勝手なことばかり言ってしまって、ごめんなさい」


下を向いてばかりの華子の頬に触れた。