唇を離しても、華子は変わらず呑気に眠ったままだった。
時計を見れば6時を過ぎている。
あまり遅くなると華子の親も心配するだろうし、俺がこんな状態だと家まで送ってやれないから、暗くなる前に帰らせないとな…
まだ華子を離したくない気持ちをぐっと抑える。
「…おい、起きろ」
何度か揺すぶると、寝ぼけたような顔で、目元をこすりながら、華子が目を覚ました。
目が合うと、まだぼんやりとしてそうな華子の瞳が大きく開かれていく。
「きゃあああああーーーー!」
叫び声と共に、ばっと身を起こす。
きょろきょろと辺りを見回して、「わ、私いつの間にか寝て…」と状況を思い出したように呟いた。


