多分、私が綿谷くんに感じているのは、尊敬とか憧れとか…そんな感情なんだと思う。
綿谷くんとは、あれからまともに話していない。
というか、綿谷くんが話しかけてきても私が一方的に変な理由をつけて、避けているから。
「あー、ダメ。今度こそ電池切れ…」
日向ちゃんの声に、私は我に返る。
再び机にへばりついた日向ちゃんを見て、私は苦笑いを浮かべる。
…私も、休憩しよう。
私はカバンから、クッキーの入った包みを取り出した。
「日向ちゃん、疲れた時の、甘いものどうぞ」
包みをあげると、「うわあ!美味しそう!」と、日向ちゃんの疲れた顔がばあっと明るくなった。


