君だけには打ち明けられる

僕の一日はLINEからスタートする。
「おはよう。美海さん。」

必ず1時間後に返信が返ってくる。
「おはよう」って。

僕と美海さんが通うのは、家から電車で30分の距離にある小規模な高等学校だ。 僕が電車にのって、二駅目で美海さんが乗ってくる。
けど、電車の中では一緒に乗れる日も乗れない日もある。なぜなら僕たちは付き合ってるわけでもなくただ、同じ部活として、仲良くなった友達なのだ。

1学年クラスは4クラス。私たちはクラスも違うし教室もとても離れている。それから美海さんは、専門科で授業の内容も、使っている教科書も全く違う。唯一、一緒なのは保健ぐらいだ。
だから学校で会うのは、6時間授業が終わった、部活の時間だけだ。

僕たちが所属している部活は、吹奏楽だ。中学校のとき、もともとピアノを習っていたこともあり、吹奏楽部に所属した。中学校生活の吹奏楽部は、N県の指導もありなかなか部活の時間を確保できず、各大会に向けて先生もしっかりと指導してくれていたものの、なかなか全員がまとまらず、たくさん大会を行ってきたが、全部銀賞だった。

高校に入り自然と吹奏楽部に所属した。全県の中でも地域同士が密接な関係で、今までも一緒に演奏させてもらったことは多くあった部活だったため。ほかの部活をみることもなく、選んだ部活だった。

初めての顔合わせの時、同じ中学校からきている先輩も部活に入部していたから、安心したのを覚えている。
その時美海さんも、今まで一緒に演奏したこともあったけど、よく知らない人だなと思っていた。