心の中で謝るが、熱で頭がぼんやりする。

そのぼんやりした頭で、私は何故、昨日のお客様に咄嗟に傘を貸したのか考えた。

考えてみても、答えは出ない。

でも、私の作った花束、喜んでくれたし、相手の人も喜んでくれていたらいいな⋯⋯。

そう思っていたら、睡魔が襲ってきた。



寝込んでいる私のもとへ、昨日の彼が訪ねてきて、

「大丈夫?これ、お見舞いに持ってきたよ」

そう言って、綺麗な花束を渡してくれた。

「ありがとう⋯⋯」

「早くよくなってね」

そう言って、彼は氷嚢を私の頭に乗せる。



そのリアルな冷たさで夢から覚めた。

「あれ⋯⋯?」

夢と現実をさまよっていると、私の頭に氷嚢を乗せる母がそこにいた。

「あ、せっかく寝てたのにね⋯⋯肉まん買ってきたわよ、食べる?」

「食べる!」

どうやら、母はコンビニまで行っていたようだ。