そうたずねてみても、彼は、

「いや⋯⋯実は僕自身、花のことはてんで疎いのでわからないんです」

男の人はそういうものなのかな。

「あ、おまかせというのは出来ますか?」

「大丈夫ですよ。私でよろしれば」

「じゃあ⋯⋯お願いしようかな」

そう言って彼は微笑んだので、私も微笑み返して、どんな花束にしようかと一生懸命考える。

私は花が好きとは言え、決して詳しいわけではない。

学術的なことも、花言葉が何なのかなどもまだまだ勉強不足だ。

自分にセンスがあるかすら怪しい。

しかし、こんな花束にしたら素敵だろう⋯⋯というイメージは湧いてくるので、そのイメージを大切にしている。

「こんな感じで如何でしょうか?」

大丈夫かな、と少しドキドキしながら花束を見せると、彼は気に入ってくれたようで、

「とても素敵ですね!お願いしてよかったです」

そう言ってくれたのが、とても嬉しかった。