後ろからそんな声が聞こえるけれど、今度こそ、その言葉にも振り返らない、歩みも止めない。
はじめて名前を知った。
今ここで、彼の優しさに甘えてしまえば、きっと私は一生自分を許せない。
涙がまた溢れる。
とても温かな涙が⋯⋯。
心のなかで、理仁さんに何度もありがとうと叫びながら、私はただ歩き続けた。
はじめて名前を知った。
今ここで、彼の優しさに甘えてしまえば、きっと私は一生自分を許せない。
涙がまた溢れる。
とても温かな涙が⋯⋯。
心のなかで、理仁さんに何度もありがとうと叫びながら、私はただ歩き続けた。



