Life Is a Flower

「はい!」

こんな風に、彼は定期的に来てくれるようになった。

同じようなやり取りだけを、もう何度か繰り返した頃、私は、

「そう言えば⋯⋯花屋にはもう慣れましたか?」

そんなことを尋ねてみた。

「ええ。でもここ以外の店には行ったことがなくて」

「ご贔屓にして頂いて光栄です」

「いえいえ」

こんなことを聞いていいものか躊躇ったが、どうしても気になり、

「いつも、どなたへの贈り物なんですか?」

聞いたあと、すぐに後悔した。

謝ろうとした瞬間、

「それは⋯⋯いちばん大切な人に、です」

その答えを受け、私がどんな表情をしていたかなど想像したくない。

大丈夫、本当は薄々気付いていたことなんだから⋯⋯。

「やっぱりそうですよね。その方、とても幸せですね」

微笑んで彼を見ると、複雑そうな表情をしていた。

「そうであってほしいと、僕も思ってます」