ここが自分の店なら、無理して買い物しなくていいと言えたけれど、バイトの私にそんなことは言えない。

「ありがとうございます」

そう言って、私はこの優しい人のために、また真剣に花を選ぶ。

「こんな感じで如何です?」

出来上がった花束を見せると、

「やっぱりあなたのセンスはいいですね。それ、お願いします」

よかった。

そう思い、一昨日と同じように、またドアまで花束を持っていくと、

「じゃあ、ありがとう」

「えっ!?これ、お忘れになっていますよ!」

そう言うと、彼は、

「それは、あなたにですから」

何のことかわからず、戸惑っている私に、

「中村あゆみもいいですけど、それより早く元気になってください。お見舞いの花束ですよ」

優しく微笑んで帰っていった。

私は、昨日の夢がやや形を変えて正夢になったことに、驚くやら、なんだかドキドキするやら⋯⋯。