召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜

「その……なんというか、今日は朝一から上手く占えなかったの。相談者は納得していたみたいだけど」
「でしたら、何を悩む必要があるのですか? といいたいところですが、アゼリアが拘っているところは別ですよね。上手く占えなかったことが原因で、プライドが傷ついたのですか?」
「プライド……そんな大それたプライドは持ち合わせていないけど」

 そうなのかな。占いは未熟だし。だからこそ、相談者に寄り添うと頑張った。

「実は心配だったんです。毎日アゼリアから、「今日も朝から行列ができていた」と聞く度に、無理をしていないかと」
「無理?」
「そうです。アゼリアは司書として図書館にいるのですよ。占い師として雇われたわけではないでしょう」
「……確かに。言われて見ると、最近、司書の仕事すらしていないかも」

 出勤すると、急いで相談所に駆け込み、テーブルクロスをかける。掃除は退勤時にしているから、軽く済ませて、本日の相談者を待つのが日課になっていた。

「それがいけない、とはいいませんが、少しだけ占いから離れてみるのはいかがですか?」
「で、でも……私の占いを待ってくれている人がいるのよ」

 こんな拙い占いしかできない私を頼ってくれている。期待してくれている。